ブログ
【冷蔵冷凍設備が不足する!? 2030年問題に直目する低温倉庫】2024年11月度メディカル物流ニュース
冷蔵冷凍設備のフロン規制「モントリオール議定書」
オゾン層の保護のための国際条約であるウィーン条約に基づき1987に採択された議定書で、その取り組みとして特定フロンを抑制するとあります。
CFC(クロロフルオロカーボン)と呼ばれるフロンガスを2009年末で全廃、HCFC(ハイドロクロロフルオロカーボン)というフロンガスを2030年までに原則全廃するとされています。
ここで問題とされているのが「古い冷蔵冷凍設備の代替フロンへの対応」です。
食品関連を保管する倉庫が多いと思われますが、古い設備を対応させるとなると設備交換、もしくは新設してしまうなどコストが掛かります。
2030年までに対応させるかどうかは倉庫側の判断になりますから、最悪冷蔵冷凍倉庫を無くすという決断もあります。そうなると冷蔵冷凍倉庫が不足してしまいますから大きな問題です。冷蔵冷凍倉庫は通常の倉庫よりコストがかかります。新たに建造するにも建設費用の高騰もあり、ハードルは高いといえます。事実、フェイバリットの周りでも、冷蔵冷凍倉庫を廃止した倉庫会社様が複数います。嫌でもその問題を肌で感じています。
野村総合研究所による2023年8月のレポートによれば、全国の34%に相当する営業冷蔵倉庫が築40年を越えているとされており、仮で30%が廃業となると東京・神奈川だけで10万トンの倉庫不足になると記されています。
温暖化の中で、冷蔵冷凍の必要性が高くなっている中ですので深刻な問題です。
フェイバリットの冷蔵冷凍設備
フェイバリットでは神奈川県の大和市にある倉庫内に冷蔵冷凍庫を設けています。冷蔵庫は2つあり広さは91坪と5坪、冷凍庫は1つで広さは5坪です。温度は冷蔵が2~8℃、冷凍がマイナス10℃以下で対応しています。セコムと繋がっており、温度異常が発生した際には自動的に通報され、弊社管理者に連絡が入り、すぐ対応を取ることが可能となっています。
この冷蔵冷凍庫は2021年以降に新設された設備です。冷媒もHFC(ハイドロフルオロカーボン)という代替フロンを冷媒に使用しているので立替や設備変更の心配はありません。
冷蔵冷凍製品の取り扱い
通常の物流業務と同様、荷受け、保管、ピッキング、梱包、発送業務が可能ですし、もちろん流通加工も行えます。人が入るスペースがあることにより、製品を冷蔵室内で取り扱うことが出来、温度を保ったまま仕分けやピッキング・梱包を行うことが可能です。
また、梱包後は集荷までそのまま保管し、クール便で発送することも可能です。量によっては冷蔵チャーター便を手配することもできます。又、一定温度を保持したまま輸送する事が必須の製品も、定温ボックスを使用し指定場所まで輸送するサービスもあります。
スペースの広さを生かして、冷蔵温度内で出荷までの業務をすべて行い、品質を落とすことなく、全国向けの発送に対応しています。